最終更新 2010年 9月 01日(水曜日) 21:53
墺日学術交流会(AAJ)のあゆみ
前史
墺日学術交流会(AAJ)設立の土台となる動きは早くからありました。
先駆となるのは、1959 年に当時のウィーン大学民族学研究所日本学のアレキサンダー・スラヴィック教授よって組織された、「日本学研究会」で、この研究会は日本研究者や日本からの講師を招いて講演会を催し、当時の墺日間の学術情報交換の場としての役割を果たしていました。
1983 年5 月18 日に、日本大使館の提案により結成された元日本奨学生の会を 1983 年6 月23 日「墺日学術交流会(AAJ)」と改称、新しい学術交流の場としてのAAJ が発足しました。ウィーン大学日本学研究所のセップ・リンハルト教授が初代会長に就任しました。
AAJ の法人化と目標設定
1985 年3 月25 日AAJ の法人化が決定され、4 月29 日の第1回総会でリンハルト教授が会長に、日本学研究所の創設者スラヴィック教授が名誉会長に選出されました。定款には、会の目標としてオーストリアでの日本研究の助成と振興、在日オーストリア人および在オーストリア日本人の学術活動の奨励と促進、墺日間の学術交流の助成と推進、墺日の奨学金留学生の指導、オーストリアにおける日本学の学識の普及、他の同様の団体とのネットワーク作りが定められました。
具体的な活動としては、講演、討論会、映画鑑賞、日本関連の展覧会見学、クリスマス会の他、インフォーマルな交流と懇親の会を定期的に催しています。
機関誌「ミニコミ」
機関誌「ミニコミ」の名称はウィーン大学日本学研究所で1979 年から1 年間月刊で発行された研究所機関誌から受け継がれたものです。AAJの機関誌としての新しい「ミニコミ」は年4回発行、初代編集者はイングリッド・カーゲルとリンハルト教授で、当初の主な内容は会員の研究プロジェクト紹介、日本関連の催し物案内、学会報告、新刊案内でした。
「ミニコミ」とは別に1991 年までAAJ が主催した講演のスクリプトも刊行されましたが、現在では「ミニコミ」に掲載されるようになりました。
躍進の時代
当初の会員数は28 から63 の間でした。1989 年にフレール・ヴェスが会長兼「ミニコミ」編集者に就任、「ミニコミ」の紙面内容の一新をはかりました。ページ数も従来の4 〜6 ページから1994 年には20 ページにと大幅に増えていきました。内容の濃い記事論文がのせられ、「ミニコミ」の存在は会員以外にも知られるようになりました。1994 年のローランド・ドメーニグの論文「イエローキャブとラブジャンキー?家田荘子の本について」は毎日新聞に引用され、1995 年のウォルフガング・ヘルベルトの「阪神大震災体験記」はオーストリアの作家ゲーハート・ロートの小説 Der Plan に使われました。
ヴェス会長の時代に、会員数は100 を超えました。1993 年にヴェス会長が引退し、リンハルト教授が再び会長に、「ミニコミ」編集にはサビーネ・ソマーがあたり、94 年からウォルフガング・マンツェンライターが編集に加わりました。
過渡期と新しい躍進の時代
この後しばらくAAJ 動の停滞期が続きましたが、1996 年12 月サビーネ・フリューシュトックの会長就任とともに第2の躍進時代に入ります。マンツェンライター編集の「ミニコミ」はページ数が増え、より読みやすくかつ内容が専門的になりました。テーマ中心の記事の割合が増え、有名な日本研究者の寄稿も増えました。これによりAAJ はオーストリア以外にも知られるようになり、海外会員が急増しました。今では会員の4 分の1が海外在住です。フリューシュトック会長のもと、国際的に知られた日本学者の講演が実現し、多くの関心を呼びました。1997 年以降講演の他に、オーストリア応用美術美術館の東アジア部の協力を得て定期的に日本関連の展覧会の見学も行っています。
フリューシュトック会長のカリフォルニア大学移籍にともない、1999 年ローランド・ドメーニグが会長を引き継ぎ、今日に至っています。
今日のAAJ
ドメーニグの会長就任以来新しい試みがなされています。 AAJ の定期的活動に映画鑑賞が加わりました。この映画会は主に日本の新作映画をとりあげており、海外初の上映も数多くあります。2001 年にはAAJ の集まりが初めて日本で行われました。AAJ が海外へ発展した結果、特に日本の会員が増えた結果です。
「ミニコミ」の編集はマンツェンライターにかわって2001 年からドメーニグがあたっています。「ミニコミ」をさらに内容濃いものにするために毎号特集テーマを決め、関連の論文を掲載しています。世紀の技術の躍進に歩調を合わせ、1999 年秋からメールによる情報発信を開始、2002 年3 月からはホームページも開設しました。
現在の会員数は120 となっています。




